はじめ
原稿料が、口座で眠っていた
旅の記事を書いては各地を巡る日々。原稿料はそこそこ入るが、使うのは旅とメシばかり。余ったお金は銀行口座でただ眠っていた。「これ、置いておくだけでいいんだっけ?」——ふとした違和感が、すべての始まりだった。
取材先のバーで聞いた、ひと言
地方都市の小さなバー。隣り合わせた常連客が、何気なくこう言った。「兄ちゃん、円だけで持っとったら、知らんうちに目減りするで」。投資のとの字も知らなかった畔蒜は、その晩、ホテルで初めて“インデックス投資”という言葉を検索した。
派手さはいらない。ただ、続けた
一発を狙う気はさらさらなかった。毎月いくらかを、世界の株と少しの金にコツコツ。旅で家を空けても、勝手に積み立たっていく。相場の上下に一喜一憂せず、ただ淡々と。それだけを、十数年。
気づけば、ケタが変わっていた
ある日、口座の残高を見て、自分でも少し笑ってしまった。具体的な額は、まあ、ご想像にお任せする。大切なのは金額じゃない。「あのバーの夜に始めていなかったら」と思うと、ぞっとする——その実感だ。だから、若い君に伝えたい。